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顎関節の骨学

顎関節の解剖学の画像

どうも。スズキタケヒロです。

今回は顎関節についてその骨学を解説します。

はじめに

顎関節には咀嚼、開口というように生きるのに欠かせないレベルの機能があります。

口が開かなければ物が食べれません。

口が開かなければ会話ができません。

故に顎関節の障害は健康や幸福に多大な影響を与えます。

顎関節への介入精度向上のためにも解剖学は頭に入れておきたいものです。

以下に顎関節に関連する骨を一覧にしておきます。

上顎骨、下顎骨、側頭骨、頬骨、蝶形骨

下顎骨 Mandible

https://visual-anatomy-data.net/kokkaku/MB5-05-27.html

顔面中で最も大きく、最もよく動く骨です。

頭蓋からの筋、靭帯、顎関節の関節包により吊られたような状態になっています。

水平部分を下顎体(6)、その後面から垂直に伸びるのが下顎枝(2)です。

下顎枝の上端には筋突起(12)、下顎頭(14)、下顎切痕(1)があり、筋突起は側頭筋の付着部になります。

下顎頭のすぐ下のは下顎頸(15)があり、その前内側面に外側翼突筋が付着します。

上顎骨 Maxilla

左右の上顎骨が癒合して1つの上顎を形成します。

隣接する骨との間で強固に固定され鼻腔と眼窩の底面を形成します。

側頭骨 Temporal Bone

https://visual-anatomy-data.net/kokkaku/MB5-01-48.html

側頭骨は左右に1つずつあり、下顎頭を受け止める下顎窩(12)はドーム状の形をしています。

細く尖った茎状突起(11)には茎状靭帯、茎状舌筋、茎状舌骨筋、茎状咽頭筋が付着します。

また頬骨突起(14)は頬骨弓の後半分を形成しています。

頬骨 Zygomatic Bone

左右の頬骨は頬の主要部分と眼窩の外側を構成します。

側頭突起(4)は頬骨弓の前半分を形成しています。

蝶形骨 Sphenoid Bone

https://visual-anatomy-data.net/kokkaku/MB5-01-41.html

蝶形骨は顎関節を構成してはいませんが内側・外側翼突筋の付着部(7,5)をもちます。

舌骨 Hyoid Bone

https://visual-anatomy-data.net/kokkaku/MB5-01-71.html

舌骨は第3頸椎のすぐ前で触知可能です。

舌骨体は前に凸状で、大角が両端にあります。

舌骨は茎状舌骨靭帯により吊るされていて、舌運動、嚥下、会話に関わる筋群が付着しています。

顎関節 Temporomandibular joint

下顎頭と下顎窩で形成される緩い滑膜性の関節です。

内部には関節円板が存在し衝撃干渉に一役買っています。

また関節円板は関節を上下の関節腔に隔てています。

下顎頭と下顎窩

下顎頭は前方から後方に向かって平たくなっていて前後径の約2倍の内外径をもちます。

関節表面は薄いですが線維軟骨が密集した層になっています。

これにより咀嚼時の衝撃を干渉しています。

また硝子軟骨に比べ組織修復能も高くなっています。

下顎窩は関節性と非関節性の2つの面に分けることができ、下顎腋窩の関節表面は関節隆起により形成されます。

関節隆起は荷重面としての役割があることから線維軟骨で覆われた緻密骨で構成されています。

完全開口により下顎頭が関節隆起を超えて滑るわけですが、この関節面での過度の剪断力や圧縮は顎関節症によって生じます。

関節円板

顎関節の関節円板は外周部を除いて血液供給がなく、感覚神経の支配もない線維軟骨が主体になっていて、外周部は関節包に付着しています。

関節円板は前・中・後の3部に分けることができ、後部は上が凸状で下が凹状になっていて大部分の下顎頭を受け止めています。

最も後部で後円板層に付着して骨につなぎ止められています。

https://commons.m.wikimedia.org/w/index.php?search=Temporomandibular+joint&title=Special:MediaSearch&type=image

前部は下面が平坦になっていて上面は関節隆起の膨らみを受けるために少しだけ凹状になっています。

中部は下面が凹状、上面が平坦になっています。

場所により厚みに違いがあり、中部が最も薄く1mm、前部と後部はその2〜3倍の厚みがあります。

関節円板は開口後期において前方に滑り関節隆起を横切り下顎頭の保護に機能します。

関節包

顎関節の関節包は線維性で内側面は滑膜に覆われています。

上方は下顎窩の縁に付着、下方は関節円板の周囲と下顎頭の上部に付着、前方は外側翼突筋の上頭腱に付着します。

前後方向へはやや緩く開口時の関節円板と下顎頭の動きを邪魔しないようなっており、内外側方向へはしっかりとしていて関節の安定性を確保しています。

靭帯

主に顎関節を補強する靭帯は外側靭帯(1)です。

https://visual-anatomy-data.net/ligament/cranium-1.html

この靭帯には水平線維と斜線維があり、斜線維は下顎頭の後方から関節隆起の外側縁と頬骨弓に向かって走行します。

水平線維は斜線維の深層にあり、下顎頭の外側柱に付着します。

機能としては関節包外側の補強です。

 

以上が顎関節の骨学になります。

ここを基盤に手技療法や運動療法を考えていきます。

 

筋学はこちらのブログをどうぞ。

 

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この記事を書いた人

スズキ タケヒロのアバター スズキ タケヒロ 集-tsudoi-設立者

得意の徒手療法を中心に初学者が明日から現場実践できる基礎内容を担当