どうもどうも。スズキタケヒロです。
今回は肘関節の骨学です。
骨
上腕骨 Humerus
今回は肘関節についてなので上腕骨の遠位部について解説します。
内側は内側上顆と上腕骨滑車、外側は外側上顆と上腕骨小頭で終わります。
内側上顆は滑車よりも突出していて内側側副靭帯、回内筋群、手関節屈筋群が近位付着します。
外側上顆は内側上顆よりも小さく、外側側副靭帯、回外筋群、手関節背屈筋群が近位付着します。
尺骨 Ulna
尺骨の滑車切痕は大きく口を開けたような形をしていて、ここは上腕骨滑車と適合して強固な腕尺関節を形成します。
橈骨切痕は滑車切痕のすぐ外側にある関節面です。
橈骨
橈骨頭は円板のような形状で橈骨の近位端に位置します。
橈骨頭の縁は約280°を関節軟骨に覆われて、尺骨の橈骨切痕と接し近位橈尺関節を形成します。
すぐ下のくびれた部分は橈骨頸で、上部はお椀のようなくぼみがあり橈骨頭窩と呼ばれます。
関節
肘関節は近位腕尺関節と近位腕橈関節からなります。
腕尺関節は滑車と滑車切痕がしっかりと適合して安定性を担保、腕頭関節は適合性が低く周囲の関節包靭帯に安定性を依存しています。
少し前までは肘関節は1軸性の動きをすることから蝶番関節とされていましたが、尺骨は肘の屈伸に伴い僅かに軸回旋し、内外側に動くことから変異型蝶番関節と言われています。
肘の外反
尺骨は上腕骨に比べてやや外側に偏位しています。
前額面上の肘伸展時の自然な角度は肘角と呼ばれ、正常角度は平均13°とされています。
これが20°を超えると外反肘、-5°以下で内反肘とされます。
結合組織
肘の関節包は分裂しておらず、腕尺関節、腕橈関節、近位橈尺関節全てを包んでいます。
そして関節包はいくつかの靱帯に補強されいています。
内側側副靭帯は前、後、横線維束からなり、前線維は内側側副靭帯の中で最強で硬く、肘の外反に抵抗しています。
後線維は外反に抵抗しますが最も緊張するのは最大屈曲時です。
横線維は未発達で安定性にはあまり関与しません。
内側側副靱帯は伸展位で大きな外反力が加わると損傷しやすく、特に前腕回外、肘伸展で手をついて転ぶと好発します。
また他にも非荷重に連続した外反の反復でも損傷しやすいです。=野球肘
外側側副靭帯は内側側副靭帯と比べて多様な形をしています。
比較的後方に位置するのでほぼ全ての線維が完全屈曲位で緊張します。
強固に橈骨頭をハンモックのように支えているので、上腕に対しての過度の外旋を防いでいます。
仮に外側側副靭帯が完全断裂すると橈骨頭は後外側方向に捻れた場合、脱臼します。
以上にことから内側側副靱帯は矢状面、外側側副靭帯は前額面と水平面においての安定性に関与しています。
骨間膜
橈骨と尺骨は前腕の骨間膜で連結しています。
大部分を中央線維束と呼び、明瞭な線維は橈骨から約20°の角度で下方内側の尺骨へと伸びます。
他の線維よりも2倍の厚みがあり最大抵張力は膝蓋腱とほぼ同じになります。
中央線維束の主な役割は、橈骨を尺骨に固定し、手の外在筋の付着部として上肢への力の伝達をすることです。
転倒して手をついた際の80%の圧縮力が橈骨手根関節を通り、残りの20%は尺骨手根間隙の軟部組織(TFCC)に伝わります。
橈骨の近位方向への圧力は骨間膜を通り、尺骨へと伝達(分散)されます。
これにより腕尺関節、腕橈関節に均一に圧縮力の分散がおこり損傷を軽減することが可能になります。
ということで今回はここまで。
このブログがあなたの臨床の一助になれば幸いです。
次回は筋学について解説します。
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