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肩関節の筋学

肩関節の筋学の画像

どうもどうも。スズキタケヒロです。

今回は前回の骨学に続き肩関節の筋学です。

肩関節とは言いましたが肩鎖関節、胸鎖関節、肩甲胸郭関節、肩甲上腕関節を解説するので肩複合体と言うのが正しいかもしれません。

肩甲胸郭関節に関与する筋

挙上筋

挙上筋の画像

僧帽筋上部(下行部)

https://visual-anatomy-data.net/muscle/img-d/MB2-T38-012.JPG

肩甲挙筋

肩甲挙筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/detail-img/detail-012-7.JPG

大菱形筋

大菱形筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/detail-img/detail-rhomboid-major-2.JPG

小菱形筋

小菱形筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/detail-img/detail-115-5.JPG

これらの筋は肩甲骨と上肢の位置関係を適切にキープするのに役立っています。

これらの筋の機能低下(副神経損傷、ポリオ、脳卒中、筋ジストロフィー、ギランバレー症候群など)が起こると肩甲胸郭関節が重力に対抗することができなくなり、肩甲骨が下制、外転、下方回旋してしまいます。

このポジションは徐々に周囲組織に機械的ストレスを生じさせます。

過度な下制により鎖骨の外側端が第1肋骨と衝突しテコ作用が発生、外側端を上方に脱臼させることも。

またテコ作用は内側端にも影響し、内側端は下方に押し出され腕神経叢や鎖骨下動脈を圧迫する可能性があります。

僧帽筋上部の機能低下が長期化すれば肩甲骨から上腕骨が相対的に下方変位(肩甲骨上方回旋の喪失による関節窩の上向き消失による)が発生し、亜脱臼を起こします。

しかし疾患がなくてもこれらは起こりうる可能性があります。

猫背ってやつですね。

結合組織の緩み、筋緊張、筋疲労、筋力低下、肩甲上腕関節包の緊張、頸胸椎の不良姿勢…etc

下制筋

下制筋の画像

僧帽筋下部(上行部)

僧帽筋の画像

広背筋

広背筋の画像
https://tsudoi.takehiro.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/EFB8BE32-8A07-4082-9CBA-EF0621A24882-649×1024.jpg

小胸筋

小胸筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img-d/MB2-T22-011.JPG

鎖骨下筋

鎖骨下筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img-d/MB2-T15-011.jpg

鎖骨下筋は小さいですが鎖骨を下方に引く作用がありこれが間接的に肩甲骨に作用しています。

この筋の重要な作用は鎖骨の下方への引っ張りではなく胸鎖関節の適合を高めることです。

収縮することで胸鎖関節に圧縮力が加わりその適合性が高まります。

広背筋は上腕骨を下方に引き下げることで肩甲骨を間接的に下制しています。

これらと対照的に僧帽筋下部と小胸筋は肩甲骨に付着しているので直接関与します。

外転筋

前鋸筋

前鋸筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/detail-img/034-9.JPG

前鋸筋は唯一の外転筋です。

小胸筋にもその作用はありますが極わずかになります。(短縮すると内転を阻害することから)

前鋸筋のおかげで肩甲骨は胸郭上で安定することが可能になります。(厳密には内転筋との同時作用で)

肩甲骨の安定の画像

内転筋

肩甲骨内転筋の画像

僧帽筋中部(横行部)・下部(上行部)

僧帽筋の画像

大菱形筋

大菱形筋の画像

小菱形筋

小菱形筋の画像

これらの筋の中で僧帽筋中部のみがベストな力線をもっています。

菱形筋と僧帽筋下部は互いの力線のベクトルが結果的に内転方向になります。

上方回旋筋

上方回旋の画像

前鋸筋

前鋸筋の画像

僧帽筋上部・下部

僧帽筋の画像

前鋸筋の下部が肩甲骨下角えお引き上げ関節窩を上方かつ外方へ回転させます。(上方回旋筋で最も有効な筋)

僧帽筋上部は鎖骨を内側上方へ引っ張り上げ間接的に関与します。

僧帽筋下部は肩甲棘根を内側下方に引き下げることで関与します。

下方回旋

大菱形筋

大菱形筋の画像

小菱形筋

小菱形筋の画像

小胸筋

小胸筋の画像

下方回旋は上方回旋状態から肩甲骨をい下の位置に戻す際に起こる動きです。

肩甲上腕関節に関与する筋

挙上筋と外転筋

挙上の主動作筋は三角筋前部、烏口腕筋、上腕二頭筋です。

三角筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img-d/MB2-T16-013.JPG
 烏口腕筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/coracobrachialis-6.jpg
上腕二頭筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/biceps-5.jpg

外転の主動作筋は三角筋前部・中部、棘上筋です。

棘上筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/supraspinatus-5.jpg

三角筋前部・中部、棘上筋は外転の初動で作用して60〜90°で最大効果を発揮します。

内転筋と伸展筋

内転と伸展の主動作筋は三角筋後部、広背筋、大円筋、上腕三頭筋、大胸筋胸肋部です。

三角筋の画像
広背筋の画像
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大円筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/teres-major-5.jpg
上腕三頭筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/triceps-3.jpg
大胸筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/pectoralis-major-9.jpg

内旋筋

内旋の主動作筋は肩甲下筋、大胸筋、広背筋、大円筋、三角筋前部です。

肩甲下筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/subscapilaris-9.jpg
大胸筋の画像
広背筋の画像
https://tsudoi.takehiro.tokyo/wp-content/uploads/2021/09/EFB8BE32-8A07-4082-9CBA-EF0621A24882-649×1024.jpg
三角筋の画像

外旋筋

外旋の主動作筋は棘下筋、小円筋、三角筋後部です。

棘下筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/infraspinatus-4.jpg
小円筋の画像
https://visual-anatomy-data.net/muscle/img/teres-minor-5.jpg
三角筋の画像

以上が肩関節の筋学になります。

後半の肩甲上腕関節の内容が薄っぺらいと感じた方は多いかと思います。

これはわざとそうしていて、肩甲上腕関節を正しく動かすためには肩甲骨(肩甲胸郭関節)の制御がなされていること必要があります。

このブログにも書いたように肩甲上腕関節の運動時には肩甲骨(肩甲胸郭関節)の連動が発生し、肩甲上腕関節の挙上で肩甲骨は〇〇、外転時には〇〇の動きをします。

まずは肩甲胸郭関節の理解と臨床活用を最優先にするのが肩関節の理解を深める最短ルートだとぼくは思います。

このブログがあなたの臨床の一助になれば幸いです。

次回は運動学について解説します。

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この記事を書いた人

スズキ タケヒロのアバター スズキ タケヒロ 集-tsudoi-設立者

得意の徒手療法を中心に初学者が明日から現場実践できる基礎内容を担当