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メンバー限定:コレステロールは敵か?味方か?

痩せろと言われた膝痛の患者さんが整形外科で

”コレステロール値が高いから脂質は控えてダイエットしないと歩けなくなりますよ。”

って言われたと嘆いていた経験ってありませんか?

これ結構変形関節症の診断を下された人が言われるのって結構あるあるなんじゃないかなと思います。

その時みなさんは同調して、

”脂質はカロリーが高いし太りやすいですからねぇ、お医者さんの言うとおりしっかり抜きましょう!”

って言っちゃいますよね、、、

採血結果と膝変形の画像所見から患者の不安を無駄に煽ってしまうことは実は非常に多いものです。

(基礎疾患のデータに基づいて栄養管理をされている場合は別)

しかし脂質って体にとって非常に大切なものなのにそこまで過剰に制限なんてしていいものなのか?

ちょっと疑問に思ったりしませんか?

そもそもコレステロール値ってなに?

悪玉とか善玉とかいろいろあるけどなんだろう?

悪玉は悪いものだけど善玉は体にいい影響与えるものなんだよね!

みたいにコレステロールがどんなものなのかを曖昧にしている人が多いんじゃないかと思います。

今回はそんなコレステロールの基礎についての説明をしていきたいと思います。

コレステロールとは?

コレステロールは僕たちが食事から取る脂質を原料に主に肝臓で合成されるものです。

コレステロールが実際に体のいろんなものの材料になっています。

コレステロールによって作られるもの

・細胞膜の構成要素
・副腎皮質ホルモンの原料
・性ホルモンの原料
・胆汁酸の原料
・ビタミンDの原料

副腎皮質ホルモンはおもにコルチゾールと呼ばれる抗炎症ホルモンと呼ばれるもので、体に起こった炎症を鎮静化するために大変重要なホルモンであることはご存知なのではないでしょうか。

またコレステロールは胆汁酸の原料にもなります。胆汁酸は脂質の消化吸収に必要な消化液でしたが、コレステロールの原料である脂質を吸収するためにもコレステロールが関わってきます。

さらに特筆すべきは細胞膜の材料であり、ニューロンの髄鞘(ミエリン鞘)にも豊富に含まれています。体内のコレステロールの25%が脳に集中しています。

ここからでも脂質は人として正常な機能を維持するために必須の栄養素でもあることがわかると思います

コレステロール値と悪玉コレステロール

コレステロールが私たちの生体にとって必要なものであることが理解ができたと思います。

コレステロールは善玉コレステロール(HDL)悪玉コレステロール(LDL)に分けることができます。

これだけを聞くと前者は体に良いもので後者は体に悪いものという捉え方をしがちですが、人の体に携わる仕事をしている私たちはこのコレステロールの捉え方を少し変えなければなりません。

一般的に言われている悪玉コレステロールは輸送型コレステロールといいます。これは肝臓で作られたコレステロールを必要な器官に届けるためのリポ蛋白のことを指します。

リポ蛋白は水に溶けない脂質を運搬するためのもので、リン脂質とタンパクとコレステロールが合体しているもの。

冒頭にまとめたコレステロールを原料として合成される物質を作る器官に輸送するということです。

製麺所やお好み焼き屋に小麦粉を届け流るような感覚です。同じ小麦粉でも輸送した場所で加工されるものが変わる点で非常にわかりやすいと思います。

肝臓に行けば胆汁を生成させたり、キャン玉に行けばテストステロンを合成するといった形です。

では輸送型コレステロール、LDLが血液検査で高値がされるのはなぜでしょうか?その数値を受け取ってどんなことが考えられるのかを少し考えていきましょう!

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この記事を書いた人

千木良 卓のアバター 千木良 卓 集-tsudoi-運営メンバー

バイオメカニクスと臨床評価学を中心にアカデミックな内容を担当