柔道整復師の将来性ってどうなのかな?
SNSではあんまりいい噂聞かないけど・・・
柔道整復師は何かとネガティヴなニュースが溢れていますが、僕は悲観的になる必要は無いと思っています!
今日は柔道整復師としての経験と、業界の動向に目を向けながら将来性についてお話をしていきます。
柔道整復師の将来性について
僕の柔道整復師としてのキャリアは以下の通りです↓
福岡の専門学校 柔道整復科に入学
初就職後は健康保険のみの施術を行う
退職後は自費メインの鍼灸接骨院にて管理者も歴任
一通り経験した上でのお話になります。
メディアでネガティブなニュース、業界最大手の接骨院グループの倒産、SNSでの否定的な意見・・・
そんな中、僕はこの仕事に価値を見出し800万借金をして一昨年整体院を開業しました。
まずはそれぞれの働き方を分解していきましょう。
保険のみの接骨院
近年、「保険が厳しい」「自費導入しなきゃ・・・」など最も聞くワードです。
保険のみって何がいけないんでしょうか?
「保険が厳しい」は何を示すのか?
保険が厳しい=療養費の申請が通らないor単価が低い
すごく噛み砕くと、施術料金の単価が低いことからこのような意見に発展していきました。
何年も前より療養費の算定基準は下がり続けてきました。
加えて療養費の推計も年々減少傾向(以下の表参照)
数十年前バリバリだった先輩の柔整師に当時の療養費の算定基準を聞いたら驚いたのを覚えていますが、近年は微増傾向です。(骨折・脱臼の処置や初検時相談支援料などが増)
算定基準が下がる→患者さんに来て頂かなければ経営が厳しくなる
↓
「よし自費メニューを入れよう!」
これが一般的な流れになりつつあります。
保険のみの接骨院の実際
まず窓口料金の一部負担金が数百円(初回などは例外)であるのに加え、捻挫・挫傷・打撲の申請に関しては単価が高く無いので、患者さんが1日に多く来ていただかないと存続が厳しいです。
よって回転率重視になり、スタッフを揃え、ベッドも沢山置くという流れになります。
実際保険のみでやっているところは、施術者1人に対し15人(20人以上理想)ぐらい対応できなければ厳しいです。
ランニングコストが著しく低くスタッフを雇っていなければ話は別ですが。
ちなみに僕が過去に勤めていたところは患者さんの人数もかなり減り、規模を縮小(移転)したようです。
自費メインの(鍼灸)接骨院
今最も多い形が、接骨院の受領印委任払いを行いつつ慢性疾患などへは自費メニューを行うというものです。
保険による施術は条件もあり、単価も低いことから自費導入は自然の流れで起こりました。
自費の施術単価にもよりますが、患者さんがそこそこ来られて自費メニューの割合も高い水準なら経営も安定している印象です。
過去に働いていた自費メインの接骨院では、総売上の7割が自費でした。
柔道整復師で外傷性疾患を対応しつつ、それ以外は自費で。
という形は多くの選択肢となるでしょう。
接骨院という看板=安く対応してくれる所
というイメージはまだ根強いですが、うまくポジショニングやブランディングを行えば自費メインの接骨院も可能です。
キャリアアップを狙える
自費メインの接骨院では、収益性を確保しグループ展開している企業も多いです。
うまく経営されている所でキャリアアップ制度により順調に役職をあげている先生もいらっしゃいます。
何も独立開業が全て答えではありません。
雇われでも生きていける場所もあるということも忘れないでください。
柔道整復師の年収について書いた記事はコチラ↓
完全自費整体院
現在僕が開業しているのが完全自費による整体院です。
なぜ自費にしたのか?
人により様々な理由があります。
・保険では収入的に厳しい
・管理柔整師の業務にストレスを感じる
・低単価で時間と体力が厳しいetc…
ちなみに僕が自費整体院にした理由はコチラの動画で語っています↓
自費整体院の実際
最重要はポジショニングになります。
どの土俵で勝負するか?
自費なので当然数千円〜一万円の料金になってきます。
高い理由が明確でなければ苦戦します。
顧客からしたら、接骨院も整体院も何をするところか区別が難しいのが現状です。
つまり、安く長く揉んで欲しい方にとっては、高単価は弊害になるのです。
証拠の口コミ↓(当院のEPARK掲載ページから抜粋)
施術に関しては特にですが
内装や料金について触れられています。
実はこの口コミめちゃくちゃありがたいんです。
なぜなら、僕が狙っているのがまさに口コミをいただいたポジションだからです。
明確な差別・区別化がされれば競合ではなくなります。
僕もまだ途上ですが、コアなファンの方々のおかげで開院して8ヶ月ほどでお店のランニングコストは稼ぐことができ、赤字脱却に成功しました。
赤字から抜け出すのはもちろん人それぞれでありますが1年以内を目標にしていたので御の字です。
セラピストとしての可能性は大きい
先日柔道整復師が副業をするなら?の記事でも紹介をしましたが、この柔整師(セラピスト)という職業は選択肢がとても広いです。
柔整師として、セラピストとして以下の働き方をされていらっしゃる先生がいます。
- 接骨院
- 鍼灸接骨院
- 自費導入型接骨院
- デイサービス
- パーソナルトレーナー
- 専門学校の教員
- トレーナー(競技者サポート)
- 完全自費施術院 etc…
そして各分野要素分解していけば更に選択肢は広がります。
身体に対する学問という意味では同じです。
手技・栄養・メンタル・運動と、あらゆる要素を自分の切り口で仕事に活かせるのがセラピストの強みです。
動画で以前柔整師の選択肢の多さにメリットを語りました↓
セラピスト副業について書いた記事はコチラ↓
開業について書いた記事はコチラ↓
苦しくなっているのも事実
ここまで選択肢の豊富さの部分を述べてきましたが、ネガティブなニュースがあるのも事実です。
接骨院やマッサージ業界の倒産数を表す記事がありました。ご覧ください↓
2018年「マッサージ業、接骨院等」の倒産状況は過去10年で最多93件に急増、5年連続で前年を上回る
市場が成熟化され、今までのやり方が通用しなくなってくるのがビジネスの性。
世の中にはどんどん新しいサービスが生まれています。
そんな中、競合が多いセラピスト業界の倒産数は過去最多。
これをどう受け取るかはあなた次第。
飲食業界は更に厳しい
一方でコロナ倒産で話題にのぼる、「観光・飲食業界」についてはこんなデータがあります。
2020年は予測ですが、コロナ感染症の影響もあり過去最悪の結果となることが予想されています。
仮にセラピスト業の倒産数が年間90件、飲食業が700件だとしてもその差は約7.7倍にも。
飲食業は材料を抱えるという面もある為、食材の廃棄が増えれば赤字です。
我々セラピスト業界は、仮に誰一人来なくても材料など抱える必要がないのでコストはかかりません。(スタッフを雇っていたら別ですが)
よく某有名コンサルが、「飲食業界の厳しさを知っていますか?それと比べたら我々の業界まだ可能性がありますよ!」と演説をするのですが、あながち間違いではないです。
指導監査について
あまり情報が出てこないのが監査について。
ここの詳しいお話は割愛しますが、ニュースで身近に報道されるようになったのも一つの不安要素です。
昔から指導監査はあり、療養費に関するルールは変わっていないので相対的なものと捉えます。
1998年福岡地裁の判決により養成校急増
業界のお話をする上で避けて通れないのが、1998年のある裁判です。
当時福岡市で柔整師の養成校を設立しようとした方が、設立を認めなかった当時の厚生省に対し、取り消しを求めた裁判がありました。
結果として、福岡地裁は厚生省の設立拒否を違法として敗訴を言い渡しました。
当時の柔整師の養成校は全国で14校でしたが、あれよあれよと増え続け100校を超えるところまで。
定員割れなどで閉校もあり、ピークはすぎましたがそれでも柔整師の数は増えました。
当然柔整師の数も増えれば接骨院が乱立し、療養費も増加傾向にあった。
というのが最近までの流れなのです。
たびたび申していますが、療養費もピーク時は4,000億円でしたが現在は減少。
養成校のカリキュラムも大幅に単位数が増え、施術管理者研修制度の導入と業界自体の是正化が一部では起こっていると考えます。
転職組もいる
セラピスト→一般職へ
一般職→セラピストへ
僕はどちらのパターンもリアルでの知人にいます。
・管理柔整師の責務にストレスを感じる者
・拘束時間と給与が割に合わない→家庭がうまくいかない
・周りにすすめられて柔整師になってけど面白くない
様々なパターンの人と働いてきました。
何も柔整師だけに限った話ではありませんが、いくらフレキシブルな働き方ができるとはいえ将来性を感じないこともあります。
実際しんどい気持ちでする仕事ほど苦痛なことはありませんから・・・
SNSでは輝かしい方が目立ちますが、日々苦しい思いをして働いている人もいるのは事実だと思います。
柔道整復師はこれからの時代自己投資をしなければ危険
自己投資はされていますか?
柔道整復師(セラピスト)が行う自己投資には以下のものがあります。
- 読書
- セミナー受講
- 人と会う
- 身体へ投資
- 他分野を学ぶ(習い事など)
今現在の自分を形成しているものは、今までの経験他なりません。
つまり、何か付加をするということは今までの自分の延長からの脱却になります。
こんなお悩みはありませんか?
- 臨床でわからないことが多い
- 参考書を読んでいるけど難しくて現場に繋がらない
- 患者さんの症状や悩みを解決したい
- 給料が低い
- 休日も将来のことを考えて不安
- 時間と休みが少ない
うまくいかないことを悩んでいても事態は好転することはあり得ません。
まずは“行動”しやり始めることが大切です。
今までの行動の積み重ねが現在の自分なら、日々の行動を変えなければ今のままです。
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おわりに
様々な事実と経験を踏まえ将来性について考えてきましたが、厳しいのは事実です。
しかし、これはどこの業界も同じなのではないかと考えます。
楽して稼げる世の中ではありません。
これからは、必ず身体の勉強だけでは食っていけないということはお伝えしておきます。(一部のカリスマ除く)
やりたいこととやれることが一致するのなら全力ですすめたい仕事ではあることには変わりありません!
本日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
ツイキ
精査
してみよう!