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優先して学ぶべき内容とは タケヒロ的資格とったら優先して学ぶべき内容

どうもどうも、タケヒロです。

2024年卒の柔整・鍼灸・PT・OT・AT・その他資格者の皆さんはそろそろ資格取得から2ヶ月が経過しようとしていますね。

新年度から現場に出ていると仮定するとそろそろ臨床の難しさや大変さに打ちひしがれている時期でしょうか。

楽しくて仕方ない人、辛くて仕方ない人、これは二極化していると個人的には思っています。

意気揚々と就職したもののGWで早々に退職なんて人も珍しくありません。

 

理由は様々あると思います。

  • 就労時間が長い
    就職説明会で詳しく聞いてない自分が悪いと思いますけど。
    9時-17時勤務がしたいならセラピストは今すぐやめましょう。
  • 思ってた以上に現場がキツかった
    学生時代に現場を見学しないから想定ができずにそうなるんです。
  • 給料が安い
    これを言う人は売り上げに貢献できてないパターンが本当に多いです。
    売上貢献できるマニュアル縛りのチェーン店に就職するか他ジャンル転職してください。
  • 臨床が難しくて心が折れそう
    それはあなたが患者さんとちゃんと向き合っているからです。
    いっぱい悩みながら進むしかないのです。

といったところで今回は④に応えるべく、タケヒロ的資格とったら優先して学ぶべき内容をご紹介したいと思います。

 

ただし1つだけ勘違いしないでほしいことがあります。

 

それは、優先して学ぶべき内容ではあるんですが、今すぐに結果が出せるわけではないということです。

治せなかったあの〇〇が明日から治せるようになる!みたいな眉唾モノではありません。

 

人によってはすぐには何も変わらないかもしれません。

1年後、3年後、5年後、10年後に大きくジャンプするためのしゃがみ込み準備だと思ってください。

 

あまり大きな声では言えませんが、ぼくの同期たちで週休完全2日制、給料が高くて、就労時間も短くて…といった高待遇(という表現が適切かはわからないけど)な職場を選んだ人と、週休1日制、月給15万、就労時間はすごく長い…といった昔ながら(という表現が適切かはわからないけど)な職場を選んだ人を3年後、5年後、10年後と追いかけて見比べたら後者の人たちの方が知識量(色々知ってる)、技術力(色んな手技ができる)、人間力(治療家としての)が圧倒的に凄いと思える人間になっていました。

 

どちらが優れているとかそんなのはどうでもよくて、これを読んでいるあなたがどうなりたいかが重要です。

 

人間どうしても楽な方へ楽な方へと逃げてしまいます。

頭ではそれがよくないとわかっていてもです。

前振りはこの辺までにしておいて、学ぶべき内容について解説します。

目次

学ぶ内容の優先順位の考え方

まずはこちらをご覧ください。

フェーズピラミッドの画像

この画像はこちらのブログ内で紹介したもので、目の前の患者さんの症状の考え方を説明しています。

  • フェーズ1:局所解剖
    症状が局所損傷(外傷や障害)に該当するか否かを考えるフェーズ。
    必要なのは解剖学の知識です。
  • フェーズ2:運動連鎖
    局所損傷に該当しない場合に考える1段上のフェーズ。
    必要なのはバイオメカニクスの知識です。
  • フェーズ3:生理学
    筋骨格だけの話では原因が見えてこない場合に考えるフェーズです。
    必要なのは生理学の知識(特に栄養・ホルモンと自律神経)、一般臨床医学の知識、そしてそれを筋骨格障害と繋げられる思考力です。
  • フェーズ4:脳科学
    フェーズ1〜3では症状改善にたどり着けそうにない時に考えるフェーズです。
    必要なのは生理学と脳神経科学の知識です。
  • フェーズ5:心理
    カウンセリングのフェーズです。
    必要なのはフェーズ1〜4をベースとしたカウンセラーとしての知識(と経験)です。

資格取得間もない人ほど上から順に学ぶことが重要です。

 

臨床においては必ずフェーズ1から考えるようにしてください。

ぼくの場合は初診でのヒアリングでフェーズ3までは必ず考えるようにしています。

いきなりフェーズ4の脳科学で患者さんを見るのは個人的にはかなりナンセンスです。

 

ただし、各フェーズは独立しているわけではなくグラデーションで存在していることに注意が必要です。

医科のように高度に分科していると(内科だけでも循環器内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科など様々)とグラデーションでは見ることが難しくなりますが、医科は医科にしかできないことがあるのでそれで良いと思います。

でも我々いわゆるセラピストはそうではありません。

我々のメインの領域は運動器がメインですが、そこに該当しない患者さんはいくらでもやって来ます。

そしてそれを適切は医科へ紹介するのもまた我々の重要な役割です。

つまり我々セラピストは分科することなく幅広い領域をグラデーションで見ないといけない立場にあります。

 

次の項からは各フェーズごとにどう学べばいいのか、その考え方を解説します。

フェーズ1:局所解剖

ここで必要なのは基礎解剖学の知識です。

言ってしまえば学校で学んだレベルで十分です。

 

たとえば転倒して背中を打った。

 

直接的外力による損傷になるので、バイメカは必要ありません。

解剖学的に考えて処置をすれば十分です。

固定、安静、それでいいと思います。

柔整が得意な領域ですよね。 

 

集-tsudoi-のコンテンツで言うと無料ブログの骨学・筋学シリーズがこれに該当します。

フェーズ2:運動連鎖

ここで必要なのはバイオメカニクスの知識です。

バイオメカニクスは筋骨格系の身体活動のルールです。

 

重い物を持ち上げた時に背中を痛めた。

 

この原因を探るにはバイメカの知識が必要になります。

ルールを知らないとスポーツはできないのと同じで、体のルールを知らないと動作分析はできません。

 

集-tsudoi-のコンテンツでこの領域を網羅しているのは千木良先生のオンラインセミナーで、これらを全て学習すると臨床ではほとんど困らなくなります。

書籍で言えばこの本の内容をカンペキにしておきえば困ることはほとんど無くなると思います。

注意:臨床で求められるのはバイメカの知識ではなく、バイメカの知識を用いて考えることです。

フェーズ3:生理学

患者さんが訴える症状の原因が不明、もしくは確定できない場合には生理学的な要素を考慮します。

  • 栄養状態(貧血、低血糖、低タンパク状態など)
  • 服薬状況
  • 内分泌疾患(バセドウ病、橋本病、クッシング症候群など)
  • バイタル(体温、血圧、脈拍数、呼吸数)
  • その他

学生時代には臨床とは疎遠に感じる内容ですね。 

 

例えばギックリ腰の患者さんが来たとします。

重い物を持ったなどの思い当たる身体負荷はありません。

本人は「旅行から帰ってきてから急に動けなくなった、多分ジャグジーで長風呂したからだと思う」と言っています。

 

ジャグジー×長風呂でギックリ腰、しかも帰ってきてから…

 

ギックリ腰の原因として腑に落ちますか?

何か違和感を感じませんか?

 

このように解剖学とバイメカの知識だけで考えた際に違和感を感じるのであればフェーズ3へ突入します。 

 

そして生理学の知識を用いたヒアリングをしてみることに…

 

「旅行に行かれたんですよね、夜は宴会とかされていませんか?」

「はい、夜はみんなでお酒を飲みました。」

「お酒の席で食べたものを細かく教えてください。」

「揚げ物が多かったですね、唐揚げとか。かなり食べてしまいました。」

「それが昨夜の話で、今日帰ってきてから動けなくなったんですよね?」

「はい、帰宅途中から背中に違和感はありましたが帰宅してから痛みで動けなくなりました。」

「確認ですが痛みが強いのは右側ですよね?」 

「はい、右側だけです。」

 

この会話から推測される可能性は軽度十二指腸潰瘍による腰背部痛です。

 

脂物の摂取によりコレシストキニンの分泌が起こります。(今回は過剰摂取なので大分泌が起こると予想されます)

コレシストキニンの作用により十二指腸のファーター乳頭の括約筋が弛緩し、膵液が十二指腸内に流れ込みます。

膵液は強塩基性(強アルカリ性)なので過剰になれば十二指腸そのものを融解し、潰瘍を起こします。

潰瘍により十二指腸平滑筋が緊張(筋性防御)を起こします。

十二指腸は前面を腹膜に、後面を癒合筋膜によって固定されています。

十二指腸平滑筋の緊張は癒合筋膜を伝って後面の筋膜(右腰背部)も緊張させます。

 

といったような原因推測がたちます。

ちなみにこれはぼくの院に来られた実際の患者さんです。

 

この原因推測のもと、十二指腸マニピュレーションを行ったところすぐに動けるようになりました。

数日は脂物を控えて消化器を休ませるようにも伝えて帰っていただきました。

こういった内容を学ぶには以下のコンテンツが最適です。

他にも女性特有の症状など生理学的な知識が必要不可欠になる場面はとても多くあります。

ただし本当に注意してほしいことがあります。

このフェーズの勉強はまずはフェーズ1と2をちゃんとできるよになってからやるということです。

フェーズ4:脳科学

フェーズ3までのアプローチで改善が見込めないのであればいよいよ…といったフェーズです。

原始反射や感覚統合などを考慮していきます。

あくまでメインは生理学、その補助に脳神経科学を用います。

ぼくはこのフェーズを身体機能システムの適正化と捉えています。

 

個人的にはこのフェーズにはあえて足を踏み入れないようにしています。

なぜか。

ぼくみにはまだ難しくて臨床迷子になりやすいからです。笑

まずは徹底的にフェーズ3までで考え抜きます。

そこまでやって本当にダメならいよいよ足を踏み入れる。

これがフェーズ4:脳科学です。

 

この発言の通り、集-tsudoi-のコンテンツはフェーズ1〜3を中心に作っています。

フェーズ4に該当してくるコンテンツを挙げるのであれば…

などになってくると思います。

このフェーズのコンテンツは今後おそらく拡充されいくと思います。

フェーズ5:心理

患者さんと間にラポール(信頼関係)が形成されたら踏み込んでもいいフェーズです。

初回から出来る場合もあるし、時間がかかる場合もあります。

このフェーズはかなりセンスが必要とされ、かつ最も重要だと思っています。

以下は運営でもある柳先生の言葉を拝借しています。

ここが出来ていると全てのフェーズでの情報・アプローチのクオリティが上がります。
とにかく人生経験。
悪いこともいい事もやって、自分とは価値観も世代も違ういろんな人と会う事が必要。
ウチが休みを多くとっているのはこれが理由です。

余談ですが以前はグループ院の全ての新人面接と育成をしていて100人ほど育成しましたが、施術センスがない人は基本的に心理フェーズに問題がある人が多いように思います。これは臨床ではモロに出てると思います。

ぼくは偉そうにこんなブログを書いていますが、フェーズ5に踏み込むことは怖くてできないことがよくあります。

いわゆる対人センスってやつがあまりないんです。笑

でもそんなことを理由に挑戦しないのはただの逃げなので最近は積極的にこの分野の勉強にも力を入れています。

センスと言われると先天的なもの、成長環境によって培われるものって感じがして諦めムードになってしまいますが、スキルとして捉えれば鍛錬で向上させることは出来る。

というのがぼくの考え方です。

このフェーズのコンテンツはあまり集-tsudoi-にはないかもしれません。

強いて言うのであれば…

フェーズ5を学ぶ方法の1番のおすすめはZoomMTGで柳先生に質問をぶつけることです。

手技は?エクササイズは?

ここまで読んで気づいたかもしれませんが、実技内容がありません。

荒っぽい言い方をしますが、実技なんておまけなんですよ。

ぼくの中ではフェーズ1・2あってこその実技です。
ちなみにフェーズ3の知識が加わると手技やエクササイズの対応領域が急に広がります。

やっぱり最優先は解剖学とバイオメカニクスの勉強なんです。

とは言え現場で手技やエクササイズは欠かせないものですから同時進行で勉強するのが最適解かもしれませんね。

ちなみにぼくは毎月1〜2回ほど手技道場という手技に特化した練習会を開催しています。

初めての方は少々お高い参加費をいただいていますが、一度参加すると次からは安く参加できる非公開グループです。

熱量のある人たちだけのグループにしたいので最初のハードルだけは高くしてあります。

集-tsudoi-で紹介している手技の多くを実際に指導させてもらっています。

既存メンバーだけで定員に余りが出たときにはXや公式LINEで呼びかけをしています。

さいごに

いかがだったでしょうか?

自分がするべき勉強の道筋が見えてきたでしょうか?

少しでもこのブログが役に立っていれば嬉しいなぁと思います。

さいごに3年未満の人にすごくおすすめの臨床の助けになるブログを置いておきますね。

ではまたっ。

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この記事を書いた人

スズキ タケヒロのアバター スズキ タケヒロ 集-tsudoi-設立者

得意の徒手療法を中心に初学者が明日から現場実践できる基礎内容を担当

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